『1789』星組再演に期待すること

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以前の記事で『1789』ロベスピエール配役妄想をしたのですが、今回は再演に期待することを綴っていきます。

私が再演に期待することは、ずばり二つ。楽曲の追加と、ロベスピエールをいかにかっこ良く描いてくれるかです!

楽曲の追加

フランス版との違い:「Le temps s s’en va」(夢よ永遠に…)

『1789 -バスティーユの恋人たち-』は2012年にフランスで初演され、2015年に月組が日本初演、その後東宝で2016年と2018年に上演されました。

まず、フランス版では演奏されたのに15年月組版では上演されなかった楽曲があります。それが「Le temps s s’en va」(夢よ永遠に…)。東宝版では演奏されていました。フェルゼンとアントワネットのデュエットなのですが、フランス語の響き、韻のふみかたがとても美しいのです。日本語だとその良さがあまり出ないのが悲しいけど、楽曲自体も素敵なのでぜひ次の再演では演奏してほしい!

東宝版との違い:Fréres de la révolution(革命の兄弟)、Prenez l’arme(武器を取れ)

東宝版上演にあたって、書き下ろし楽曲として以下の曲が追加されました。

Fréres de la révolution(革命の兄弟)

Prenez l’arme(武器を取れ)

Fréres de la révolution(革命の兄弟)

一幕で、ロベスピエール、デムーラン、ロナンの三人が印刷所にて歌う曲です。ロベスピエールたちの抱く理想に半信半疑のロナンが、彼らの理想に触れて「俺たちは革命が産み落とした兄弟だ」と自覚するに至るという内容。なんて胸熱な話なの……!「いつか時代が変わったら 肩を組み パリのまちを歩こう 夜通し 朝まで」という歌詞が大好きです。ラストを知っているだけに、この歌詞を聞くだけで涙が出てくる。

『1789』って、ロナン×オランプ、フェルゼン×アントワネットという二組のカップルの恋の行方を描くとともに、ブルジョワのロベスピエールたちと農民のロナンとの間にある格差や苦悩を描いている点がとても良いと思うんですよね。ペイロール伯爵がロナンに「ロベピたちは所詮お坊ちゃんだ」と言ったり、そもそも衣装のレベルでロベスピエールたち革命家とロナンの経済的格差が描かれていたりしますが、そこを乗り越えて「兄弟になれる」という紐帯を示しているところが本当に好きです……。もちろん現実はそんなにうまくいかないと思うけど、それでも夢見るくらいは許されていいですよね?「悲しみの報いとして 人は夢を見る権利を得る」って言ってるし。

Prenez l’arme(武器を取れ)

デムーランがパレ・ロワイヤルで民衆に蜂起を促す楽曲。「誰のために踊らされているのか」のようにノリノリな曲かと思ったら、案外静かな曲調でびっくりした記憶。バスティーユ陥落の歴史の重みを感じさせる音楽です。

おそらくですが、前回はかちゃデムーランにソロ曲がなかったために、”Je veux le monde”が「世界を我が手に」というタイトルになり、バスティーユ陥落へと繋がる市民への蜂起を呼び掛けるシーンとなっていました。フランス版だと”Ca ira mon amour”がデムーランソロ曲なんですが、月組版ではロナンを中心に革命家カップルたちが歌っていましたね。”Ca ira mon amour”、デムーランのナイーブさが表現されていてとても良いな〜と思うので、パリ版みたいに演出されないかなあ。こんな感じです↓

ちょっと話がそれましたが、今回デムーランには「武器をとれ」というソロ曲がちゃんとあるわけなので(採用されればですが)、デムーランにはこちらを歌ってもらって、”Je veux le monde”はソレーヌ中心に娘役のナンバーにしてほしい。このシーンはフランス革命における女性のあり方を描いていてとても重要な箇所だと思うので、ぜひ娘役さんの見せ場にしてほしいな〜。

フランス版とかめちゃくちゃかっこ良いのです。

ロベスピエールの描き方

衣装

月組の衣装もかっこ良かったんですけどね?私はその後東宝の三浦涼介ロベピを見て危うく卒倒しかけましたよ……。

なんですかこの衣装は!!!

左右でデザインが違う上、内側に描かれているイラストもめっちゃおしゃれじゃないですか!!

絶対現実のロベピはこんな服着てないけど(そもそも髪の毛もかつらだし)、東宝版の衣装めっちゃ良い……!星組の再演ではこのくらいおしゃれな服をロベピに着させてください!お願いします。

史実のロベピはベストにこだわりがあったらしく、カラフルなものを着用していたらしい(ピーター・マクフィー, 『ロベスピエール』, p.110)。ロベピ登場シーンで毎回異なる奇抜なベストを着るとかしてほしいな。

それから、史実のロベピは視力が悪くて「時には一度に二種類のめがねを必要とした」(ピーター・マクフィー, 『ロベスピエール』, p.90)らしいので印刷所とかでは眼鏡を着用するのもいかがですか?いろんなロベスピエールが見たいよう〜〜。

デムーランとの関係

それから気になるのはロベピとデムーランの関係です。

月組版だと、デムーランがロベピの兄貴分みたいな感じしませんでしたか?少なくとも私はそう感じた。

ロナンが倒れたためにデムーランがロベスピエールに演説の代役(?)を頼むところとか、ロベピは「えっ俺が?」って感じでちょっと頼りない。対するデムーランは場を仕切っていて人々からの信頼も厚そう。

確かに史実的にもデムーランの方がパレ・ロワイヤルに集う民衆とは親しかったような気はするのですが、ロベピ、君ならそこはデムーランに「ああ。問題ない」とか言って泰然自若と演説を始められるんじゃないか!?と思ってしまう。もちろん、こういうロベピ×デムーランの関係性も新鮮で良いんですけどね(再三述べるが、私はどんなロベピも受け入れるのだ)!

上級生のかちゃがデムーランを演じたことがこのようなキャラクター造形に影響を与えたのかな?と推測しています。ですから、次の再演では誰がデムーランとロベピを演じるかによって二人の関係性も変わってくるのではないでしょうか?楽しみだな〜。

おわりに

しかし、『ロックオペラモーツァルト』に『赤と黒』、『1789』とまこっちゃんはフレンチロックに縁がありますね。ロナンも楽しみだな〜〜!!

『Rain on Neptune』でちなつさんが『誰のために踊らされているのか』を歌っていましたが、気絶するくらいかっこよかったのでもう全組で『1789』やってほしいです。お願い。

参考文献

ピーター・マクフィー(2017)『ロベスピエール』(高橋暁生訳)東京:白水社.

関連作品

フランス版

月組版

東宝版

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