私はもう10年くらいゆるゆると仏革オタクをしていますが、今年はおそらく最も仏革熱が高かった年でした。たくさん見て、読んだ1年をざっくりと振り返っていきます。
(今年はいけいけどんどん!みたいな年だったのでカッコ良いダントンをサムネにしました。写真のサイズあってませんが細かい事は気にしない)
仏革熱、再燃
初めて仏革にハマってから10年ほどといいましたが、ずっと同じ熱量でハマりつづけていたわけではありません。そもそも私はベルばらで仏革沼に落ちたので最初の方は1789年までしか興味がなかったし、別なことに熱中していてほとんど忘れかけていた年もあったし…(おい)。
とはいえここ数年はずっと同じくらいのテンションで仏革沼をうろうろしていましたが、今年はおそらく最高潮に達しました。理由はなんといっても、劇場アニメ『ベルサイユのばら』!!
まさか令和になって新作アニメ、それも映画館でベルばらが見られるとは一体誰が予想したでしょうか???
数年前から映画化の噂はありましたが、全然情報がでてこないので半信半疑でした。それが昨年くらいから動き出し、今年の1月31日に公開!!
ベルばらといえば原作は池田理代子先生の漫画ですが、1979年からアニメも放送されていました。このアニメがね、別物なんですよね。原作と全然違うんです。我らがオスカル様のキャラが変わってるし、結末も違う。ロベピは老けてるしサン=ジュストは血に飢えたテロリストと化しています(それはそれで結構面白いし謎の仮面をつけたサン=ジュストがオスカル様と一騎討ちするシーンもある)。
ファンの間ではかなり意見が分かれるようですが、私は実はどちらも好きで。アニメもアニメでかなり良いところはあるんですよね。アンドレが亡くなったあとの夜のシーンとか、最初見たとき本当に衝撃でした。「人間であればこそ…そんな愛も…オヨヨ…」と若き私に強烈な印象を与えた作品です。
しかしこのアニメはリアルさを追求するというコンセプトで作られたようで、女性作者が女子(児童)向けに描いた作品を男性監督がアレンジするということに若干のグロテスクさを感じなくはありません(*池田理代子先生は再三「ベルばらは少女向け」と仰っています。『オルフェウスの窓』を読むとその意味がわかるはず…)。
前置きが長くなりましたが、そういう経緯で作られたアニメがあったため(別物だと思ってみれば大好きなんですが)、劇場版もどうかな〜魔改造されたらショックだな〜と思い、2月頃になってようやく見にいきました。
結果。
大・号・泣!!
もうイントロ見た瞬間泣きました。キラキラしたベルサイユ宮殿が出てきて、オスカルとアントワネットが手を取っているシーン、革命の炎に焼かれるオスカルをアンドレが抱きしめるシーン、令和の今これをこんな大画面で見られるのか!!と感激して泣き、最後の20分くらいは涙がとまらない状態でした。周りの人もみんな泣いていたので目立たなくてよかったです。
そこからは週末の度に足を運び、最寄りの劇場がさくっと公開終了してしまったので遠方にも見にいき、合計で7回くらい見られました。応援上映とかも楽しそうだなーとは思ったのですが、勇気が出なくて一度も行ってないです。
劇場アニメ『ベルサイユのばら』
さて、この映画の良いところはどこか。
まず、ストーリーもキャラクターも原作通りだったこと。昭和のアニメだと衛兵隊が本当に怖いし、アランとか誰?って感じなんですが、ちゃんと原作通りのケツの青いアランと衛兵隊ズがかわいかったです。アンドレも革命思想に傾倒していないし、ロベピもちゃんとキラキラしてた。でも台詞は原作ラ・ファイエット侯のになってたし、ベルナールの出している新聞が革命前なのにLes Vieux Cordeliersだった。ベルナール活躍(暗躍?)シーンが削られてしまったので、ただただデムーランになってましたね。ナポレオンは原作通り通行人として登場しますが、サン=ジュストが削られたのは残念でした。絶対暴動のシーンにいるでしょ。でもオスカル&アンドレ周りは原作通りの結末になっていてとっってもよかったです。
アントワネット&フェルゼン周りは前半に凝縮されてましたね。ポリニャック夫人や首飾り事件は音楽シーンでまとめられていて、2人の恋愛に重きを置いた感じ。ただやはり「ばら」であるアントワネットの最期も描いてこその「ベルサイユのばら」だと思うのですが、尺の関係かエンディングシーンでさくっとまとめられていたのは残念。まあしょうがないですね。
それからこれは人によって好みが分かれると思うのですが、ミュージカル調だったのも私にはハマりました。平野綾さん、加藤和樹さん(1789ロナンがフェルゼン!?)はミュージカルに出ておられるので期待値高めだったのですが、当方アニメには疎く、沢城みゆきさんと豊永利行さんは存じ上げず。でもすごく良かった!オスカルの毅然とした態度、人生に悩み揺れ動く繊細な心情、お見事でした。アンドレは昭和アニメの志垣太郎さんの完成度が高く一体どうなるんだろうと思っていたのですが、豊永アンドレ最高でした。アンドレメインの曲は1曲しかないんですが、おそらく一番ヒットしたんじゃないでしょうか。平野アントワネットのMa vie en roseのキャピキャピ感、映像含め大好きです。加藤フェルゼンはファルセットが綺麗すぎて卒倒しました。あとは武内駿輔さんのアランがめちゃくちゃ良かった!!最後の泣きのシーンに全てが詰まっていました。
とにかくこの映画にどハマりし、グッズを買い、新作本を予約し、ちょうど復刊した新エロイーズを買い。それだけでは飽き足らず、パリへの航空券も買ってしまいました(パリ旅行の話はまたあとにします)。
1789 -バスティーユの恋人たち-
仏革熱が再燃した状態で明治座の1789も見てきました!私は遅れてやってきたオタクなので2016東宝も2018東宝も見たことがなく(2023星組でデビュー)。三浦ロベピと上原ダントンをこの目で見られなかったことは一生の後悔で、成仏できないかもしれません。1789ガラコン求む。
東宝版にあって宝塚版にはないもの、それはLe Temps S’en VaとJe Veux Le Monde。正確にいうと初演の2015月組版ではJe Veux Le Mondeはデムーランの曲として歌われますが(本当はソレーヌ)、歌詞が全然違います。Le Temps S’en Vaはフェルゼンとアントワネットのデュエットで、曲が本当に美しくて大好き。この2曲を生で聴けて嬉しかったです。
あとは三部会の人形劇のシーン!ちょっと振りつけが変わっていたけれどやっとこの目で見れて良かった。
キャストでいうと伊藤あさひさんのロベピはまっすぐで本当に自分の言ったことを信じてそうでした。「カミーユ・デムーラン」のイントネーションが今までのロベピと違くてなんか好きでした。エリザのルドルフも演じられてましたし(これも良かったです、トート閣下に騙されないで!!って守ってあげたくなる感じでした)これからミュージカル界でも活躍されるんですかね。また見に行きたいです。
あと個人的にぶっ刺さったのが高橋健介さんのアルトワ伯!アルトワ伯って初演の美弥るりかさんの妖艶さが凄まじく、今後他の人はどうやって演じれば良いの??状態だったと思うんですが(私だけ?)、1人だけ2次元になっちゃってるよ妖艶おじさんこと吉野アルトワ伯、世の中は基本つまらないと思ってるやんちゃ系瀬央アルトワ伯、とみなさんそれぞれのカラーで塗り替えてきていて、再演の度に難易度が上がっている気がしていたのですが見事に超えてきたな〜と思いました。今までのアルトワ伯の中で一番、オランプに執着する理由が見えている気がしました。ちょっと記憶が薄れてきているのですが、細かい仕草も興味深くてオペラ泥棒でした。なんで私にこんなにささったのか確かめたいので早く円盤出してほしいです。
それからこれは完全に私側の感受性の低さの問題なんですが、今までロワゼルとトゥルヌマンの個性の違いがイマイチわかっていなくて。それが今回の宮下雄也さん(ロワゼル)、須田遼太郎さん(トゥルヌマン)だと「こういう人なのか〜!」というのがわかりやすくて良かったです。ボケとツッコミみたいな相性の良さも感じました。良いコンビ。
他にもかちゃさんの高音に度肝を抜かれたとか藤森さんのパンのシーンが良かったとかいろいろあるんですが、語りきれないのでこれは機会があればまた別記事に。しかし記憶が薄れてきているので(何度もいう)厳しいかもしれない…。観劇後は早く感想をまとめるようにしましょう、今後の教訓。
念願の聖地巡礼
私的今年一番のビッグイベントはこれですね。1人でパリ旅行!
パリ自体は一度行ったことがあったんですが、そのときの印象があまり良くなくて(これは私の準備不足とか期待値が高すぎとかいろいろな問題がある)。私は日本に閉じこもってフランスに憧れているのが一番幸せなんだッといじけて暮らしていたのですが、劇場版ベルばらを見てやっぱり私ももう一度この景色を見たい!!と思って勢いでポチってしまいました。
けれどそのあとかなり不安になって、行く直前は思いつめすぎて体調崩したりもしたんですけど(ネガティブすぎ)、すべて杞憂に終わりました。ロベピのご加護としか思えないくらいうまくいった旅でした。英語は通じるし、みんな親切で困っていたら助けてくれるし、スリや危険な目にもあわなかったし、ストにも遭遇しなかったし、人種差別的な言動をされることもなかったし、とってもラッキーな旅でした。とにかく笑顔でBonjour、これが効いた気もします。
それから1人旅も快適でした。私がパリでやりたいことって基本的に「サン=ジュストの下宿からロベピの下宿まで何度も往復してみよう!」とか「フェルゼンがヴァレンヌ逃亡の馬車を隠していた場所を見てみよう!」とか、フランス革命に興味のないひとにとってはおそらく苦痛になりそうな旅程だったので、自分のペースで好きなときに好きな場所を思う存分堪能できたのが本当に幸せでした。
ただ、食事を楽しむなら複数人で行ったほうが楽しめるかなあとは思いました。基本的に量が多いので1人だとあまりメニューを頼めないし、相席になって隣のカップルがずっといちゃいちゃしているのを視界にいれながら食べなければならないし、このおいしさの感動を分かち合える人がいないのはちょっと寂しいかもしれないですね。ていうか本当にパリのひとたちどこでもいちゃついているので、こんな環境で独身を貫いたロベピは本当にすごいと尊敬の念を新たにしました。
また近いうちにパリに行きたいです!!そしてブログ記事も早く完成させます!!
仏革への興味、さらに広がる
パリ旅で印象に残った場所はたくさんあるんですが、一番ぞわっとしたのがアンヴァリッドのナポレオンの棺でした。目にした瞬間、「私はこれを見るためにパリに来たんだ!」という謎の感動が全身を駆け巡ったのです。そして帰りの機内でリドリー・スコットの『ナポレオン』を見たのですが、これがまた良かった…。アントワネットやロベピの処刑から始まり、ナポレオンが権力を握ってセント・ヘレナ行きになるところまで描かれているのですが、「ナポレオンってこんなんだったっけ?」というくらい等身大というか、英雄ではなく一人の人間であることを強調した感じの映画です。おそらくここが賛否の分かれるところだとは思うのですが、私には新鮮でした。最後にジョセフィーヌが「次は私があなたの王になるの」みたいなことをいうシーンがあるのですが(うろ覚え)ここが妙に印象に残りました。
今まであまりロベピの死後には興味がなかったのですが、ここにきてついにナポレオン時代も面白いかもと思うようになってきました。ただあまりにも膨大すぎて何から始めたらよいのか途方にくれています…。とりあえず池田理代子先生の『栄光のナポレオン-エロイカ』(めちゃくちゃベルばらの続編だった)、サトケン先生の『ナポレオン』(さすがに雪合戦のシーンは著者の妄想やろと思ったら有名な逸話だと知りひっくり返った)と図書館で借りた新書(タイトル忘れた)を読み、あとはやっと最近になってハセナポも5巻まで履修しました。もうちょっと学術書を読んだほうが良いですね。
それからフーシェ!!がぜんこの人への興味が出てきました。『静粛に、天才只今勉強中!』、『情念戦争』、『フーシェ革命暦』、ツヴァイクの『ジョゼフ・フーシェある政治的人間の肖像』とか読みました。情念戦争はとても面白いんですが、とにかくすべて陰謀情念のせい、みたいになってしまうのがちょっと物足りなさもありました。もっと知りたい、フーシェのこと…!
あと韓ミュMAもみました。アントワネット裁判が山場の日本発ミュージカルなんですが、エベールはもちろんのことダントンマラーロベピも登場!これは本当によかったのでまた時間があれば別記事にしたいです。そして日本での再演求む。
ミュージカル界ロベスピエールといえば花組さんの悪魔城でも新たなロベピが誕生しましたね。もしかして原作から存在してましたか?ってくらい物語に馴染んでいるし重要な役割も果たすのでびっくりしました。2025年、新規ロベピがたくさん見られてハッピーです。
2026年の抱負
そんなわけで2025年は仏革オタクとして大充実で、一種の頂点を迎えた年でした。10年前に夢見たことが叶って本当に嬉しかったです。SNSでも新しい方々と出会えて、ますます楽しくなった1年でした。感謝感謝。
来年は以下を目指したいです。
・学術書をもっと読む(目標5冊)
・知識を体系的にまとめる(本のメモを取る)
・今まで読んだ仏革本をまとめる(せっかくフライングタイガーで可愛いノートを買ったので)
・フランス語を上達させる(会話レッスンを受ける、日程があえば試験も受ける)
・法律を勉強する(仏革期に具体的にどのような法律ができたのか、どのような法的な議論がなされたのかに興味がある)
・もっとブログを書く(特に消した記事をもう一度公開できるようにしたい)
ちょっと目標を高く設定しすぎた気もしますが、できる範囲、自分のペースで来年もフランス革命に向き合っていきたいと思います!
ここまで読んでくださりありがとうございました。来年もハッピーな仏革ライフ(??)を送っていきましょう!!

