1789キャスト別感想⑥極美慎ロベスピエール

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1789キャスト別感想第6回目の今回は、満を持して、ついに極美慎ロベスピエールについてです!

最高!!

極美慎ロベスピエールを前にして、完全にIQが溶けました。最高。最高。最高。最高としかいえない。

しかしこれでは記事になりませんので(笑)、ここではもう少し極美慎ロベスピエールについての考えをまとめたいと思います。

孤高の人

今回の極美慎ロベスピエールに感じたのは、孤独さ。ダントンやデムーラン、そしてロナンとつるんでいるのに、どこか一人だけ遠い目をしていました。目の前に仲間がいて、一緒に情熱に燃えているはずなのに、ロベピだけはその方向性が違う。「俺たちは兄弟だ」という歌詞を歌っているのに、極美慎ロベスピエールの眼差しはその先、どこか遠くを見据えているようであり、その対比にしびれました。ああ、どうしてロベピはそんなに孤独なの……。しかしその孤独には寂しさよりも気高さを感じました。

今回の極美慎ロベスピエールは、1789で描かれた後のロベスピエール—つまり恐怖政治に突入していきダントンやデムーランたちを粛清する—を意識しているように思えました。最初からロベピだけは目指すところが違っていたんだなあと。

1789では、同じ平民の間での格差も描かれています。具体的には、ブルジョワで学のある革命家たちダントン、デムーラン、ロベスピエールと、貧困層の農民であるロナン。同じ「平民」でも、暮らしぶりは全く違います。

フランス革命をどのように捉えるかについては時代や研究者によって様々な説があるそうですが、一説ではフランス革命はブルジョワ革命であるとされています。つまり、1789でペイロールが言うように、ブルジョワ層が貴族と同じ権利を得たいがために立ち上がったということです。宝塚版の1789では身分を超えた愛(≒結婚?)を成し遂げたい、という欲望がバスティーユ陥落への動機になっていますが、実際には資本主義に後押しされた革命だったということですね。私もまだまだ勉強が足りないのでフランス革命の受容史に関してはもっと勉強しなければと思っていますが、実際、近代国家の民法が所有権を絶対の原則としていることに鑑みるに、確かにフランス革命は愛よりも資本主義が動機だったんじゃないかな……と思います。ちなみに、今の日本の民法にも所有権絶対の原則がありますよね!フランス革命から脈々と続く歴史を感じられて感激してしまいます。

さて、話を戻すと、その後の歴史に鑑みるに、ブルジョワ層の味方についたのがダントンとデムーランであり、どこまでもサン=キュロット、貧民の味方についたのがロベスピエールです。

ダントンやデムーランが所有権を重視したのとは対照的に、ロベスピエールは生存権を重視しました。ダントンやデムーランは自由を重視したが、ロベスピエールは平等を重視した、とも言い換えることができましょうか。本来、自由と平等は両立しえない概念ですからね……。

したがって、1789の時点でダントンとデムーランとロベスピエールは同じ志を持っていますが、実はロベスピエールはさらにその先、自由を獲得したあとの平等まで思いを巡らせているのです。1人だけ、自由を獲得したその先を見る。極美慎ロベスピエールからはこんな雰囲気が感じ取られました。

私の期待は満たされたか?

さて、私は星組での1789再演が決まったとき、こんな記事を書きました。

私が今回の星組版ロベスピエールに期待したことは①衣装、②デムーランとの関係性です。

衣装

東宝版の三浦涼介ロベスピエールの衣装が本当に好きすぎて、星組版でも同じような衣装を使ってくれないかな〜と思っていたのですが、違いました。

今回の星組版の衣装だと、ダントン、デムーラン、ロベスピエールという革命家3人がそろったときの効果が良かったですね。それぞれの個性が表れている衣装でした。

3人で見ると効果抜群なんですが、ロベピ1人の衣装とすると、私個人的には東宝版の方が好みだったかな〜。もちろん星組版の衣装も良いんですけどね!

デムーランとの関係

ありちゃん(暁千星さん)の役作りのせいか、今回のデムーランは月組版ほど兄貴分、という印象を受けませんでした。月組版ではデムーラン>ロベスピエールという印象を受けたのですが、今回は革命家3人がそれぞれの個性をお互いに引き立てあっていたような感じがします。

「誰のために踊らされているのか?」

これは前掲記事には書いていないんですが。

ロベスピエールのソロ曲「誰のために踊らされているのか?」の振り付け、私は個人的には東宝版の方が好みです。今回の星組版は月組版を踏襲していましたかね?円盤がでたらちゃんと確認します……。

それからフレーズ始めの高音は、千秋楽付近では下げて地声で歌われていたようですが、東京ではどうなるでしょうか?私が観劇したときには、慎重に音を当てている、という感じでした。個人的にはあの高音が好きなので、東京では聴けると良いなあ……。しかし喉に負担がかからないようにしてほしいですね🙏

ロナンの死に対する反応

それから、ロナンが亡くなったとき。東宝版の三浦涼介ロベスピエールが誰よりも慟哭していたのが、その後の恐怖政治を思わせるような突き詰めた繊細さを想起させるのとは異なり、今回の極美慎ロベスピエールには静かな悲しみと怒り、覚悟が感じられました。極美慎ロベスピエールを見ていると、その後のロベピがどこまでもサン=キュロットと共にあろうとしたのが納得できました。

いつもの疑問は解消されず

それから毎回疑問に思うのが、サイラモナムールのシーン。

ロベスピエール、どこからその女性連れてきた??

ロナンとオランプ(わかる)、デムーランとリュシル(わかる)、ダントンとソレーヌ(わかる)、ロベスピエールと謎の女性(???)

この女性って誰なんですか……?史実的に考えるとロベピの下宿先のエレオノールちゃんかな?でもまだこの時点ではデュプレ家に下宿してないような……。もしかして『f f f -フォルティッシッシモ-』の謎の女的な立ち位置??それとも単にロベピをかっこいいと思っているシトワイエンヌの一人(ロベピにリア恋してるシトワイエンヌ、大量にいそうです)??あるいは女装したサン=ジュスト!?!?

「バスティーユの恋人たち」だし、メインキャラの男性とその恋人たちをぜーんぶ舞台にのせたろ!あれ、でもロベピの恋人っていないな??まあ一応適当にあてがっておくか!みたいな感じだったりしますか……?ロベピに関しては恋愛模様が全く描かれていないので、唐突感が否めません。この唐突感にいつも笑っちゃうんですけど😂

ロベピに関しては、「バスティーユの恋人たち」じゃなくて「テルミドールの恋人たち」にしたら良いんじゃないかなと妄想したことがあります。以下がその妄想記事になります↓

おわりに

ここまで書いてきましたが、まとめとしては「とにかく極美慎ロベスピエールは最高!!!」ということです。一人だけ憂いを帯びているロベピがたまらん……!

もしロナンが生きていたら、ダントン、デムーラン、ロベスピエールの決裂にどのように向き合ったのでしょうか?妄想がとまりません。

さて、次回は天華えまダントンです!!!こちらもオペラ泥棒でした……!

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ロマン・ロランの『ロベスピエール』。サン=ジュストとル・バの関係も最高……!ありがとうロマン・ロラン!!

『小説フランス革命』では、ロベスピエールはリュシルに恋してます!!

そしてロベスピエールの恋愛といったらやっぱりこれですよね!切ない2人の関係性が最高。だいきほコンビのお披露目公演!

ロベスピエールについてガチで知りたい方はこの本を読んでください!!

ロベピについてざっと知りたいなという方にはこちらがおすすめ↓

東宝版。三浦涼介ロベピの衣装とダンスがカッコ良い……!

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神!!!舞台写真は売り切れ続出なので、ぜひこちらを!!

今からでも遅くはない!ananの星組特集です↓

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